解析事例(生物)

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解析事例

【肝細胞(ブタの肝臓)】
✕7.000 挿入写真 細胞膜(✕100,000)

  • 肝臓は脂質、蛋白の合成、薬剤などの代謝と除去、エネルギーの貯蔵など多くの機能を有している。これを構成しているのがほとんど肝細胞であり、その他毛細胆管(BC)や血管(HS)があり血管の中には血液細胞(EC、Kf)がみられる。
  • 肝細胞は細胞膜(CM)に囲まれ1つの細胞核(N)を持っている。細胞質には蛋白質を合成する小胞体(rER)、細胞エネルギーを作り出すミトコンドリア(M)、糖を貯蔵するグリコーゲン(Gl)がある。挿入写真は隣り合った細胞の細胞膜の拡大で、それぞれの細胞膜は幅約7nmの2重構造であることが判る。
  • 肝細胞は一般的な細胞の構造と機能を解説する時に常に引き合いに出されるくらい、典型的な細胞小器官を持っている。

【腎臓糸球体の広視野観察】✕1,000 TEM

腎臓は血液から尿を産生する臓器である。この図の中央に血液から尿を濾過する球状の糸球体があり、その周りに濾過液から必要な成分を再吸収尿細管がある。

【病原性大腸菌O-157】✕30,000 1:TEM 2:SEM

O-157は近年集団食中毒の原因菌のひとつとして知られるようになった菌で、この菌の持つベロ毒素産生機序の解明が急務とされている。
細菌類は細胞の周りに細胞壁を持ち、固定液などの薬品類の浸透が困難である。試料作製法は基本的に動物組織と同様であるが、それぞれの処理時間を長くしたり、固定の時には室温で行うことによって像質を改善する。

【ネガティブ染色法によるトリアデノウイルスの観察】✕100,000 TEM

アデノウイルスは、風邪の主要病原ウイルスと言われ、直径約80nmの球状粒子である。ネガティブ染色法により、表面のスパイクが観察できる。

【カビ】✕2,000

菌糸と胞子からなるカビ。胞子が取れ易く試料作製は慎重を要する。

【角膜上皮(SEM)】✕1,000

角膜上皮細胞を俯瞰した画像で、1細胞ごとの絨毛が比較できる

【角膜上皮(断面)】✕1,500

TEMで断面観察することで角膜上皮細胞から内皮まで観察が可能。
高倍で観察することで細胞接着状態なども観察できる。

【筋繊維】✕2,000

Zバンドを中心にアクチン、ミオシンが整然と並んでいることが分かる。

【酵母】✕1,500

酵母は固定されにくく観察が難しい。内部には様々な小器官があり酵母の状態により観察できる器官が異なることもある。

【神経組織】✕3,000

ミエリン構造、シナプスといった独特の構造を持った器官が存在し、部位によって色々な画像が得られる。

【皮膚のラメラ構造】

皮膚の角質層にある液晶構造を特殊な染色法(ルテニウム)で観察できます。肌の水分を保持し乾燥を防ぐバリア機能をつかさどっています。